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個の主体性を高め、組織の課題を抽出する。~チームビルディングの効果とその価値~ (株式会社note仲間 暁子代表・宮城 磯乃氏)【インタビュー記事】

更新日:2022年2月9日



現地視察のため2020年2月にドイツを訪れた株式会社Noteの仲間暁子代表と宮城磯乃氏。チームビルディング手法を用いた人材育成を得意とする同社に、チーム力を高めることで組織がもたらす効果についてインタビューをさせていただきました。

Horizon Consulting 金栗(以下、HC金栗):本日は、株式会社noteのお二人に日本、しかも沖縄のほうから、はるばるミュンヘンまでお越しいただきました。仲間社長、まずはじめに、チームビルディングに特化した人材育成会社を立ち上げられた「想い」をお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。

仲間代表取締役(以下、仲間氏):私自身が、学生の頃から「協調性がない」って通知表にいつも書かれるくらい、団体行動が苦手だったんです。「チームで何かをやる」と言うと、「みんなのために自分が我慢しないといけない」といったイメージが強く。それにいつも疑問を感じてたんです。

しかし、社会人となり、その時に勤めていた企業で、チームビルディングの先駆け的存在である、日本チームビルディング協会(https://jtba.jp/)のファシリテーション手法を学ぶ機会がありました。その際に、チームビルディングやチームワークの本当の意味は、チームのために誰かが我慢をするのではなく、「個々を生かすことで、チームとして最適な成果が上がる」ということを実感しました。

HC金栗:なるほど。

仲間氏:これが本当のチームワークだということを知ってから、「個性を開放し、チームとしての成果を上げる」組織づくりを極めていきたいなと思いました。そして、その価値観を、沖縄に、さらには日本に広げていきたいという想いで、この会社を立ち上げました。

HC金栗:なるほど。ありがとうございます。3年くらい前に、沖縄で会社を立ち上げられたんですよね。事業として、具体的にどのようなことをやっていらっしゃるんですか?



沖縄の伝統木造船の特徴を活かした、チームビルディング研修

仲間氏:弊社の所在地は沖縄ですが、参加者は県外や海外からの方も多く、沖縄の大自然の環境を利用して、チーム力を高めるアクティビティをすることが多いですね。ですので沖縄らしいこと、「沖縄の文化」っていうものを合わせたプログラム作りを行っています。例えば、沖縄には「サバニ」という伝統的な木造船があるんですが、この船を使ったプログラムなどを実施しています。

HC金栗:木造船を使うんですか。面白そうですね。具体的にはどのようなプログラムなのですか?

宮城氏:「サバニ」は伝統的な木造船で、「海人(うみんちゅ)」と呼ばれる漁師さんたちが昔から使っていたものです。この船の特徴は一人で漕ぐととても不安定なんだけれど、みんなで漕ぐと安定し、櫂の動きが揃うことによって、進む速さも変わってくる。そういう船なんです。

仲間氏参加者それぞれの役割が自然に必要となる。そういうプログラムですね。

HC金栗:サバニのアクティビティでは、どのような効果が得られるんですか?


仲間氏:サバニの特徴から、最初はうまく役割を果たせずに転覆してしまうこともありますし、なかなか思うように進まないんですね。じゃあ、そこをどうやったらうまく転覆せずに、より速いタイムで戻ってこられるか、というところを考えてもらうんです。

なので、一度目標を立てて、それに向かうにはどうしたらいいのかというPDCA を小さく回していって、最後に、目標通りのタイムを確実に掴む。「最初は無理だと思っていたことが、みんなで力を合わせればできるようになる」っていう体験にもなりますし、そのためにはどうしていったらいいのかっていうことを、みんなで考えながら試行錯誤していくっていう内容になっていますね。

HC金栗:なるほど。サバニの特徴が、チームビルディングにうまく絡んでますね。

また、サバニを利用したアクティビティをはじめ、それ以外にもいろんなアクティビティをコンテンツとしてお持ちだと伺っておりますが、参加している方々の側からするとアクティビティを通して、どのような変化が生まれるんでしょうか?

フラットな状態で取り組むことで見えてくる、上司・部下の互いの立場。

仲間氏:普段は会社の仕事だけの関係で、マネージャーだったり部下だったり、いろんな立場があるじゃないですか。「社外でのアクティビティ」という非日常の空間の中で、それぞれの役職を取っ払って、一度フラットな状態で行うんですね。

そうすると、今までの立場とは違った「一人の人間」としての弱さだったり、強みだったりを理解し合うことができます。

宮城氏:この経験を通すことで、普段の仕事の場でのお互いの立場を、逆に明確に理解し合えるようになるんです。

HC金栗:なるほど。普段の仕事だと、わりと流れ作業というか、業務が決まっているので、改めて相手の良さや「こういう視点があったんだ」ってことが気づきにくくなっていると思います。

環境を変えて、アクティビティの中で協力して物事を進めることによって、相手の性格だったり長所だったり、新しい部分が見えてくる。そして、それを日々の仕事の場で生きるチーム力を高めることに、つながる。そういうことですね。

仲間氏そうですね。例えば、普段はリーダーに任せっきりの人や不満だけを伝える人を、敢えてリーダーの役割にする。

そうすると、リーダーってみんなのことを考えないといけないとか、伝えることの難しさとか、そういうことを実感してもらえるきっかけにもなりますね。

HC金栗:なるほどですね。Horizon Consultingはドイツに拠点があり、日系企業の方々をお客様とすることが多いのですが、よく寄せられるお悩みとして、「現地社員の人たちの文化や考え方、コミュニケーションの取り方などが異なるがゆえに、信頼関係がなかなか築けない」とか、「人間同士の衝突が起きて、普段の仕事の効率性が悪くなる」、「社員が辞めてしまい、定着率が問題になっている」といったご相談を多くいただくんですね。そのような観点から、チームビルディングというアクティビティを通すことで、どのような解決策や、解決に結びつく効果があると思われますか?

多国籍が集う仕事環境下では、言葉の壁を通り越してお互いを知り合うことができるチームビルディング研修は特に有効


宮城氏:我々もこれまでに多国籍の方々が集うプログラムを何度か手掛けてきました。言葉や文化の違う人たちが、いっしょに一つの目標を成し遂げるために、体を動かし、目標を達成するために互いの得意、不得意を知り夢中になることで言葉を通り越してチームワークが作られていくっていうことがありますね。

HC金栗:確かに。

皆さん、ほとんどの会社が共通言語として英語を話されていますが、とはいえ、現地の日本の会社ではお互いに母国語ではないので、細かいニュアンスが伝わりづらかったりします。

その点、体を動かして何か一つの物事を達成する活動っていうのは、良い効果が生まれそうですね。

それでは、拠点の運営者側がチームアクティビティの価値をどう見るかということを考えるときに、御社はご提供されるサービスをどう価値提案されますか?

「チームワークが機能する状態」=社員それぞれが「自分事」として仕事に取り組んでいる状態

仲間氏:弊社はプログラムを通して「チームワークが機能する状態」を醸成することに重きを置いていますので、そこに価値を感じていただきたいと考えています。

ただ人を集めて形上のチームが編成できたとしても、それだけでは機能しませんし、起きる問題を修復する力を持ちません。

「チームワークが機能する状態」というのは、いわば個々の特性を活かして働くことができる環境で、働いている社員それぞれに主体性がある状態のことを言います。

主体性が生まれると、仕事を「自分事」として取り組んでくれるので、社員自身にも充実感とか満足感が生まれます。そうすると、コミュニケーションも活発になりますし、現場でしか見えない会社の問題もいち早く抽出できるようになります。

よって、会社全体としてのパフォーマンスも大きく向上しますし、離職率の改善や、社内コンフリクトの解消などにも役立ちます。

HC金栗:主体性が生まれると、様々な部分に波及効果をもたらすんですね。

仲間氏:「いかに主体性を持って働いてくれるか」っていうのは、経営者にとっても大事な要素の一つだと考えています。そういうところで、価値として提案できると思いますね。

HC金栗:なるほど。チームビルディングというのは、「チームの力を上げる」ということだけにフォーカスしがちですが、個々の主体性を高めることが、まずは大切なことなのですね。

仲間氏:はい。

HC金栗:なるほど。わかりました。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

仲間氏・宮城氏:ありがとうございます。

仲間暁子氏 プロフィール:

株式会社note代表取締役。沖縄県那覇市で生まれ育ち。大学卒業後、キャリアウーマンを目指し就職するも、チームビルディング手法を学んだことをきっかけに、社会人10年目で脱サラし、人材育成会社を起業。これまでに多店舗経営の飲食店でのエンゲージメント向上や新入社員の早期離職防止などのニーズに対し、チームビルディング手法を用いたプログラムの企画・構成・デリバリーを手掛ける。

株式会社note HP:https://note-okinawa.co.jp/


宮城 磯乃氏 プロフィール:

現在はnoteの役員としてチームビルディングの企画や運営に携わる。自身でも介護サービスの会社を起こし、20年に渡り地域に根ざしたサービスを展開する。沖縄のサバニに魅せられレースの参加やサバニの修繕なども行い、沖縄の素晴らしい伝統や文化を広げていきたいという思いがnoteのミッションと繋がり、沖縄らしい、沖縄ならではのチームビルディング体験の企画を得意としている。





【Horizon Consultingからのお知らせ】

Horizon Consultingはこの度、株式会社noteと業務提携を結び、同社のチームビルディングコンテンツを欧州内にて展開をさせていただく運びとなりました今後は、集合型・オンライン型問わず、note社が開発する様々なチームビルディング研修のご提供が可能となります。詳細・お問い合わせについては、E-mail : info@horizon-consulting.site、もしくは弊社のお問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。



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