リモートワークの環境下で下がるチーム意識。今、リーダーが取り組むべきこと。

Updated: Jan 19


COVID-19 新型コロナウイルス感染症(*以下コロナウイルス)が世界中で猛威をふるうようになって、もうすぐ一年となります。

この記事を読む方のほとんどが コロナウイルスの影響でリモートワークを余儀無くされているのではないでしょうか。

私自身も2019年はほぼ毎日外出し、月に1~2回のペースで出張する予定を立てて動いていました。 しかし、このパンデミック以降は仕事は100%がリモートに変わり、今ではクライアントやビジネスパートナーとの仕事、すべてのやり取りが、オンラインにシフトチェンジしました。


加速するリモートワークの利点

業績の影響度は各企業によって様々ではありますが、一般的にリモートワークで仕事をする環境になり、通勤の必要がなくなった、家族との時間が増えた、という声をよく聞きます。


また経営者にとっては、オフィスや移動に費やすコストが下がったので、その点では経費削減になったなどの声もあり、 色々なプラス面があると言われています。


みなさんもその恩恵を実感している面もあるかと思います。

私自身も仕事の効率面においては大きなメリットを感じています。


その効率性の良さから、いわゆる「アフターコロナ」、コロナウイルスが収束してからも、リモートワークが加速するであろう事は、いろんなメディア、会社情報、発表内容からも確実だろうと予測されています。


例えば、ドイツの大手電機メーカーの ' SIEMENS 'ではコロナの収束した後も、週のうち3日をリモートワークを前提とした就業形態を継続していくと発表しています。

SIEMENS Press Release (6th July 2020):


リモートワークによって希薄化する「チームとしての一体感」


今後も継続が予想されるリモートワークですが、その利点が実感される一方で、組織活動を続けていく上で気になるアンケート結果もいくつかあります。


リモートワークになったことで、従業員のモチベーションやチームの一体感の維持という点において、これまでとは異なる変化が起きているというものです。


オンラインのコミュニケーションツールを開発している 'SLACK'が行ったコロナウイルス以降のアンケート調査によると、アンケート回答者の50%の人たちが「リモートワークになってチームとの一体感が薄まった」と回答しています。

Slack :Remote work in the age of COVID-19 (21st Aug 2020)


また、コロナウイルス以前にアメリカのコーチング会社の' BetterUp ' が行った調査によると、「チームの一体感が感じられるときに仕事のパフォーマンスが56%のび、チームの離職率が50%ほど減少する」と調査結果が出ています。

BetterUp:The value of belonging at work


中には「1人でも黙々と仕事に打ち込めるタイプの人」という方もいるかとは思いますが、人は基本的には人と関わり、つながりを感じて自分の存在意義を実感し、それが何かの行動を起こす生き物だといえます。


ですので、企業にとって、「チームとしての一体感の希薄化」は会社のパフォーマンスに多大な影響を与える、看過できない事柄なのです。


リモートワークでは、チームの不和を感じづらい


私は普段、様々なビジネスパーソンに対し、リーダーシップの醸成やコミュニケーションの改善を主軸としたコーチングを行っているのですが、現に国籍や性別、企業の業界に限らず、このような会社での孤独感や一体感をテーマとしたお悩みをお聞きすることが本当に増えてきたなと感じています。


例えば、リモートワークとなったことで常に家にいて仕事をしていることから、「なんだか繋がっている感じがしない」とか、孤独を感じて、黙々と作業をさせられている気がして、脱力感が感じられるようになり、仕事へのモチベーションが下がっているのを実感している。といったご相談や、打ち合わせの際に部下と話しをしても、実際にどういうことを考えているのかが見えづらくなってきているといったものです。


従来であれば、オフィスに行き、食堂などでのコーヒーブレイク中に部下とたわいない話をしたり、最近どうだい?などという声かけの際の表情や反応から「何か悩みがあるんだな」と読み取ったり、普段の仕事をしている時以外の場面でおかしな様子が垣間見えたりした時には、なにかしらの対応をしておかないといけないという勘が働いて、「打ち合わせをしよう」と声をかけたりして対策を練ることができます。


しかし、現在はzoomなどオンライン会議で顔を合わせ、決まった議題で1時間程度の会話をし、会議が終われば画面を閉じることで、すぐに個人個人の空間に戻っていきます。 


そのため、これまでのように出来ていた仕事外の状況を把握することが難しく、個々の状態が見えづらいという環境になります。

単純に言えば、リモートになったことで、チームの不和を感じづらくなっています。


実際リモートワークになったことで、一体感が生まれづらい状況が出てきているということは、今後継続が予想されるリモートワークを行う環境で、何かしらの工夫をする必要があるのではないかと私は考えています。


リモートワークの効率性を活かしながら、組織としてのパフォーマンスを維持・向上させるためにできること


コーチングを行なっていく中で、実際にクライアントさんから、チームのメンバーが孤独感を感じないための工夫として、実践しているケースがありますので、いくつかご紹介をしたいと思います。

  • チームミーティングの後には、必ず一対一、1on1での本音を聞くための5分コールを行う

  • チーム内のルールとしてメンバーそれぞれが、具体的に「〇〇に対してありがとう」という一言メッセージを、週に一回送るようにする

  • ファシリテーターとしてオンライン会議を行うときは、必ずスモールトークの時間を3分設けるようにする

  • チームのリーダー、マネージャーが毎月一回チームのメンバーそれぞれに労いの言葉をメールで送る

  • 週一回、15分~30分、仕事の話をしない前提でリモートコーヒーブレイクタイムを設ける


一体感を生むうえで、なかなかいい効果は生まれているようです。


コロナウイルスのパンデミックは、まだ当分は続くことが予想され、またリモートワークは、コロナが収束したのちにも、継続されていくことでしょう。


そのようなニューノーマルな環境の中で、上記に紹介したような工夫次第で、リモートワークの効率性を生かしながら、組織としての一体感を高め、最終的にはチームのパフォーマンスを上げていくことができると思います。


そのリードをとるべきは他でも無い、この記事を読んでいる皆さんかもしれません。


皆さんの会社、チームではどのような工夫が出来そうでしょうか?

引用した記事:HPリンク

SIEMENS Press Release (6th July 2020):

Slack :Remote work in the age of COVID-19 (21st Aug 2020)

BetterUp:The value of belonging at work


投稿者プロフィール 

金栗 雅実(Kanaguri Masami)

日系電子材料メーカーヨーロッパ現地法人(デンマーク工場・ドイツ営業所・ハンガリー営業所の3拠点)の運営責任者として、現地の組織・人材開発や品質保証マネジメント業務に従事。大手車載メーカ―による生産工程監査において、世界5生産拠点中、最高評価を獲得。その体制づくりに尽力。その後6年間、日本での組織・人材開発コンサルティング経験を経て独立。現在はHorizon Consulting代表としてドイツに拠点を置き、経営層・マネージャー層のリーダーシップ、上司・部下の関係構築、組織文化の変革、異文化対応力や英語コミュニケーション力向上など、様々な分野にてコーチ・ファシリテーター・コンサルタントとして活躍中。JETROやデュッセルドルフ日本商工会議所、中学・高校でのゲスト講師など、講演実績多数。コペンハーゲンビジネススクール(MBA)。国際コーチ連盟認定コーチ(PCC)

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